木製ランタンを制作中のクラフトデザイナー小林俊雄さんです。この木製ランタンは、伝統的な漆塗りの技を用い、何度も漆塗りを繰り返して完成しています。
作品は、宮崎市内のあるシーガイアの温泉施設「松泉宮」で使われています。


小林さんのブログより、木製ランタンが出来上がる過程の一部を紹介させていただきます。
右側の写真は、小林さんが、頭の部分と本体を別々にして、「油煙」で全体を黒く染め「生漆」を摺りこんでいるところです。本体に1~2回「生漆」を刷り込んだ後に、和紙を「のり漆」で貼り付けます。すると、白い和紙が、「生漆」を吸い込んで濃い茶色になります。
摺り漆の要領は、最初は「生漆」を塗料シンナーで薄めて木地に漆を充分しみこませます。木地が漆を吸いこまなくなるまで、何度も繰り返して、木地に漆を染み込ませます。
漆を漆刷毛で摺りこんで、布で余計な漆をふき取ります。 「生漆」を少しずつ濃くして摺り込み、そのたびに布でふき取る作業を繰り返します。

このようにして、多くの工程を経てモダンで美しい木製ランタンが出来上がりました。